THINKING

小さな世界

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私が通っていた中学校は上下関係がすごく厳しい場所だった。

3年生になると上がいないことにせいせいとする。2年生になると3年生が見張らなくなるので威張りまくる(3年生は高校受験で2年生にかまっている場合ではない)。挙げ句には2年生は1年生をいびりまくる。1年生は小学校に比べて、人間関係が変わりすぎることにビビりまくるといった構図だった。

小学校の頃は学年が「1こ上」だからって威張ってなかったし、友好的に接していた。しかし、中学生になると人が変わったように「1こ下」に威張るようになる。

中学校は不思議なところだった。もちろん、それは私が通っていた中学校に限る話だろうけど。限る話であってほしいけど。

まず上下関係が生まれるのは特に部活内での話だ。3年生がいる間は意外と穏やかにときが過ぎていたのだが(それなりに上下関係は厳しかったけれど)、3年生が6月ぐらいで引退すると2年生が「本性」を現すのだった。

私が所属していたバレーボール部はなかなかの部だった。内部のいざこざだけは校内いや地区内でトップクラスだったと思う。(ちなみにバレーの実力は全然トップクラスではなかった)

ちょっと薄暗い場所に呼び出され、説教されることもあったし。わざと練習を邪魔するような行為をしてきたり。ボールを投げつけられたり。大声で怒ったり。奇声をあげたり。

うーん、いま思い出しても理不尽だし。なんであの人たちはあんなに不安定だったのだろう。

この行為に対してうんざりするのは、幼稚すぎるからだ。「1こ上の人」は定期的に「お気に入りの1こ下の人」、「嫌いな1こ下の人」ができるのだ。それは、はたからみてすぐ分かるぐらいあからさまだった。だから、いま自分は気に入られているのか嫌われているのかが分かるのだった。

なぜ急に気に入ったり、嫌いになったりするのか理由は聞いたことないけれど(聞いたりなんかしたら余計にいびられるだろう)。きっと、「1こ上の人」は理由を言語化できなかったと思う。

ただたんに気分で「1こ下の人」をいびるような人たちだった。

そんな「1こ上の人」も、さらに「1こ上の人」にいびられていたというな話を風の噂で聞いたことがある。普通なら同情すべきだろうが、私は全く同情しなかった。なぜなら同じことしていたから。いびられていたから、「1こ下の人」をいびっていいわけではない。これは典型的な負の連鎖だ。

ちなみに私たちが2年生になったときは、できるだけそういうことをしないようにと思っていた(私は)。でも、部内には「1こ上の人」にいびられていたのだから、同じことをしてやろうって人がいた。そして、「1こ下の人」をちょっと薄暗い場所に呼び出して説教をしたりした。

それでも、私の「1こ上の人」よりはひどくなかったし、ひどくならないようになんとか部内を丸く治めようと努力はした。「1こ下の人」がどのように思っていたかはわからないけれど。

1年早く生まれたぐらいで、あんなに威張れるのも中学生にしかできないことだろう。実際に社会に出てからは、年齢だけで威張られた記憶はない。

あの威張りは小さな世界だからできることで、世界が広くなると1年早く生まれたぐらいであんなに威張る権利がないことがわかるはず。

大人になって考えると、「1こ上の人だからって、あんなにビクビクする必要なかったな」と思う。
でも、それに気づくには時間が必要だったのかもしれない。

ABOUT ME
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どこにでもいる凡人
1984年生まれ。平凡な20代、怒涛の30代を経てシンプルに生きることを決意。 バツ1。現在は子育てをしながら、日常で思ったことをブログに書いてます。趣味は走ること、写真を撮ること、読書。
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