もらうこと、贈ること
プレゼント
最近みなさんは、だれかにプレゼントしましたか?
先日、友人の誕生日だったので、ささやかなプレゼントを贈りました。ほんとうにささやかなものです。いまは便利なもので、相手の住所を知らなくても、モノが送れる時代になった。モノはポンッと送れるし、もちろんメッセージもポンッと送れる。百円ぐらいのギフトカードもポンッと送れる。あまりに簡単に送れるから、逆に送らないとポンッと怒られそうで怖いですね。
友人にささやかなプレゼントを贈ってから、しばらく経つと私の誕生日になります。その友人から、ありがたいことにメッセージがポンッと届きました。しかしプレゼントは、ポンッとは届きませんでした。
べつにプレゼントが欲しくて、友人にプレゼントを贈っているつもりじゃない。素直に喜んでほしいから、贈っているだけなのに。でも私にはプレゼントはないのか、と思ってしまう。むずかしいものですね。
私も逆のことをすることがあります。いや、多々あります。贈らない側からすると、あげたくないつもりじゃない、買いに行くタイミングがなかったり、あとで贈ろうと思って、そのまま忘れたり。まあ、そんなところです。いままでプレゼントをくれたみなさん、すみません。
お返し文化
お返しのことを考えるとき、私はよく母を思い出します。親戚からなにかをもらうと、もちろんお返しをします。そこまではいいけど、母は送るものについて、よく口を出してくる。だったら「お母さんが選んでよ」と私が言うと、「なんでもいい」と母に言われる。選ばないなら、口を出さないでほしいと、私はよく思っていました。
電話もそう。なにかもらうと、「メールじゃなくて電話でお礼を言いなさい」と言われてた。私は親戚と電話で軽快に、会話ができるような人ではないので、苦痛でしかたなかったです。そのうち、母もお礼は電話じゃなくて、メールでいいと言うようになったけど、ほんとうにいやでした。
こんなことなら、親戚からなにももらわなくてもいいのになと思っていたら、ほんとうにもらわなくなりました。いつの間にか地元のお祭りがなくなったように、ふと気づいたらなくなった。親戚のおじさんや、おばさんもしっかり年齢を重ねているみたいです。親戚からなにももらわなくなっても、さびしい気持ちはありません。
このような煩わしさを、いつか懐かしむときが来るのだろうかと、ふと思うけど、まだ煩わしいことがいっぱいあるので、それはとうぶん先のことになるだろう。

