日常

壊れる家電と、壊れていった日々のこと

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家電が壊れやすい家

昔、「なんでこんなにモノが壊れるんだろう?」と思ったことがある。それはたまたまかもしれないし、ただの不運だったのかもしれない。それにしても、なぜか家電ばかりが次々と壊れていった。

家電が壊れるという小さな絶望

家電が壊れると、なんだか非常にガッカリした気分になる。保証書を探して、メーカーに電話して、家電を梱包して、宅配業者に連絡して、荷物を受け取ってもらって。

この一連の動作をつらつら書くだけでも疲れてしまう。ふぅ。それで終わりではない、帰ってきた家電がちゃんと作動するかも確認してやっと終わりとなる。こんなことが、何回もあるとウンザリしてしまうのだが、何回もこんなことがあったのだ。

同棲中に次々と起きた「壊れる」出来事

当時、お付き合いしていた人と同棲していた。まずは新しく買ったゲーム機が壊れた。相手が「あれ?動かないな」と困った顔をしてゲーム機をまじまじと見る。こうなると、家電が壊れたときのお作法をいちからやるしかない。

このときは相手がメーカーに連絡などの一連の流れをやったので(相手のゲーム機だから当たり前だと思っている)、私は「早く直るといいねー」と呑気に過ごしていた。第三者なんてそんなものだ。

テレビが壊れると、信じてもらうのが一番大変

しばらくなにごともなかったが、今度は「テレビの電源がつかない!」となった。テレビはなかなか手ごわい。というのも、メーカー側が「テレビなんてそうそう壊れないものだ」と自信があるので、壊れたことを信じてもらえないのだ。

メーカーに電話すると、まず疑われる。「コンセント、抜けてませんか?」「リモコンの電池、入ってますか?」わかる。わかるけど。何度も確認したあとで電話してるんです、こっちは。

きっとテレビが壊れたと電話してくる人が多いのだろう。仕方がないが、このやり取りも疲弊してしまう。やっとメーカーも「これは本当に故障かも」と認め始める。

そうすると、今度はテレビが本当に壊れているか確認しに家に人が来る。これも時間を確保したりと大変なものなのだ。大したことではないけれど、地味に心が削られる。

結局、そのときは本当に故障してる判定をもらい、確認しにきた人がテレビを回収していった。しばらくすると、直ったテレビが新品のような顔で部屋に戻って来る。業者の人が設置してちゃんと動くことを確認して終わりとなる。

モノだけじゃなかった。関係も壊れていった

私はそれまで家電の故障にあまり遭遇したことがなかった(安物家電が壊れたことは何度もある)。少なくても、わざわざメーカーに連絡するような本格的な故障には出会わなかった。

なので、このときは「なんてモノが壊れやすい家なんだ」と思った。実は家電だけではなく、車で2度事故に遭った(この話は長くなるし、いい思い出でもないのでここでは控えます)。

これは2、3年の間に起きた話なのだ。テレビが壊れた頃には人間関係も壊れ始め、お別れした。

一緒にいて不運なことがたくさん起きるのはあまりよくないような気もする。それは誰のせいでもなく、二人が一緒にいることで引き起こしていた不運なのかもしれない。

今は、壊れないものの中で暮らしたい

長い人生を穏やかに送りたいからこそ、「運のいい人」と一緒に過ごしたい。少し都合がよすぎるかもしれないけれど。

もちろん、お別れした相手も、同じことを考えていたのかもしれない。でも今は、壊れないものの中で、穏やかに暮らしたいと思っている。

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日常エッセイスト
1984年生まれ。 普段は平凡な毎日を送っています。 小さなできごと(いいことも、わるいことも)を、このブログに書き留めています。
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