日常

一億年ぶりに体重計に乗った日から、私は走りはじめた

pes

ランナーのみなさん、今日もはりきって走ってますか?

私も走ってきました。今年に入ってからだいたい毎日ランニングマシンで一時間ほど走ってます。屋外じゃねーのか、というやじが飛んできそうですけど、お手柔らかにお願いしますね。

みなさんは毎日一時間ほど走っている有名人といえば?と訊かれたとき誰を思い浮かべますか?私は『村上春樹さん』です。村上春樹さんはランニングについての本も出しています。タイトルは『走ることについて語るときに僕の語ること』。走るとこんないいことがあるよ、といった健康法を紹介する本ではない。一種の「メモワール」と本人は言っている。

私は村上春樹さんの一種の「メモワール」を読んで、走るようになりました。

実をいうと十数年前にも、この本を読んでいた、でも「よおし、私も毎日一時間走るぞ」とはならなかった。なぜだろう。そのときは、どこかの遠い国のおとぎ話のように読んでいた。なので自分ごととして、腑に落ちることなく言葉はすり抜けて、村上春樹はがんばってるな、と思うだけだった。でも、この本は私にとって何か大切なものになる気がした。

それからしばらくして出産、子育てフェーズに入ると、めっきり本を読まなくなった。「産休中に資格を取ろう」と政治家が言っていたけど、そんなことできる人は本当にすごいですね。私にはとてもそんな真似はできない。

その間のことを覚えていないわけではないけど、怒涛の日々でなにがなんだかだった。はっきり覚えていることはよく食べてた、しかも異常なほどに。
そうして日が経つに連れ、私は子どもと同じような成長をしていた。輪郭がふっくらして、柔らかい雰囲気(私の場合は、柔らかいのは雰囲気だけで、実際はヘトヘトだった)。

乳児期が過ぎ、幼児期の後半にもなると余裕がでてきて、自分をじっくり見つめられるようになった。そして感覚的には一億年ぶりぐらいに体重計に乗った。そのときは衝撃を受けたもんだ。数字はしっかり現実を突きつけてくる。思わず「えっ」と低くて小さい声がでた。

このままじゃいけないぞ、となりジムに通い始めた。とりあえず筋肉をつけようと、えっほえっほと筋トレをした。有酸素運動に比べて楽なこともあり、いや楽なことしかしてないので一年ぐらい通っても、そこまで身体は変わらなかった。

このままじゃ意味がないぞ、となり有酸素運動を取り入れることにした。まずはランニングマシーンで十分歩く、そのうち十分走るようになり、半年後ぐらいには四十分ぐらい走れるようになった。

これぐらい走っていると少しずつではあるけど、身体が変わってくる。一旦、ここで満足して同じようなメニューをこなしていた。

そのころ新年を迎えて、すぐに忘れてしまうけど新しい目標でも立てるかと模索していた。まずは読書を復活させることを目標とした。なにを読むか考えたとき、走るモチベーションが欲しいなとなり、村上春樹の『走ることについて語るときに僕の語ること』を再読した。

十数年前に読んだときと全く印象は変わっていた。同じ年齢のときに春樹はこんなに走っていたのか、と驚かされすごく刺激になった。本の中に出てくる村上春樹と同じぐらいの年齢になったからか、共感するところが多くなった。

それからというのも、私も村上春樹のように一時間走るようにしようと決意し、いまのところ一年ぐらいは継続できている。
走ることで身体の変化だけではなく、誰かに言うわけじゃないけど「やることやってるぞ」と胸を張って生活できるような気がする。きっとこれっていいことですよね。

ABOUT ME
pes
pes
日常エッセイスト
1984年生まれ。エッセイスト。 小さなできごと(いいことも、わるいことも)を、ここに書き留めています。
記事URLをコピーしました