子どもの日常

我が家にギャングエイジがやってきた

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「やだ」の始まり

ここ最近、小学生の子どもの口癖が「やだ」になった。「やだ」とよく言うようになったなあ、と思っていたけど気のせいではなく本当によく言っている。

「歯を磨きなさい」→「やだ」
「宿題やっておきなよ」→「やだ」
「明日の準備した?」→「やだ」

なにを言っても「やだ」でかえってくる。まるで初めて言葉を覚えたオウムのように、一つの言葉を繰り返している。こんだけ「やだ」と言われると、こちらもじわじわと腹が立ってくる。私も親以前に一人の人間ですからね。

でも私が本気で「やだ」に対して文句をつらつらと言い始めたら、怒りに着火して爆発して大きな被害がでてしまいそうなので、こちらも「やだ」にたいして「はいはい、よろしくお願いしますね」と言うだけにしている。爆発するまえに「やだ」が減るといいんだけど。

気づけば生活のなかに「やだ」が入ってきた。なにも前触れなく。もしかすると予兆はあったのかもしれないけど、急にぽっとでてきた「やだ」。子どもの成長は見えているものだけではない。それはあさがおのように毎日観察していたら、もうじき花が咲くことがわかるようなものではない。気づくと身長はすくすくと伸びているし、精神面でもすくすくと成長している。

ギャングエイジ

子どもの「やだ」についてポチポチと調べてみると、「ギャングエイジ」とも呼ばれる「中間反抗期」らしい。「ギャング」とはなかなかな物騒なネーミングですね。ほんものの「ギャング」は「やだ」だけでは済まされなそうだけど。

私にも(もちろん)小学生の時代があったし、「ギャングエイジ」だったときもあった。たぶん。その頃はなんだか、一人になりたくて自分の部屋にいる時間が多かった。それまではリビングで家族と一緒にテレビを見たり、たまに話したりすることがあたり前だったけど、急に一人になりたくなった。まるでもともと一人でいることを決められていたことかのように。どこかの偉い博士が私の頭をいじって「十歳になったら一人になりたくなるようにしよう」と勝手に決めて、勝手にいじったのかもしれない。だからか、どうして一人になりたいかはうまく説明ができない。

私がうまく説明できないのだから、子どもに「なんで、やだとすぐに言うの?」と訊いてもきっと答えられないだろう。成長とはそういうもんだ。

私の母がだれかのお母さんと話してるとき「子どもは小学一年生までがかわいい」と言っていた。そのとき私は小学一年生ではなかったから、それを聞いて「私のことかわいいと思ってないんだな」とさびしくなったことを覚えている。

でも今ならその言葉もわかる。きっと幼児のようなかわいらしさが、なくなってきたという意味だったのだろう(たぶん)。青虫からさなぎになって蝶となるように、成長しているのだ。見た目も、言うことも成長とともに変わるけど、子どもの魅力は変わらずたくさんある。

「ギャングエイジ」を仏のように温かく見守れる日が続くといいですね。ちなみにこのまま、本物のギャングにならないよね。

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日常エッセイスト
1984年生まれ。エッセイスト。 小さなできごと(いいことも、わるいことも)を、ここに書き留めています。
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