月曜日のピッチ
「FIFAワールドカップ!? 月曜の朝5:00から!? 睡眠の方が大事だよ!」
ゴソゴソとベッドの中で時計を見る。暗闇を灯すデジタルの光は4:50を教えてくれる。私は眠たい体をのそっと起こす。
トイレに行く途中で、まずテレビの電源をつける。そこに映し出されたのは綺麗な緑に映える青だった。そう、今日は日本の初戦だ。相手はオランダ。
世の中には様々な競技でワールドカップがある。バスケ、バレーボール。それだけではない、世界選手権もあるしオリンピックもある。
まるでパーキングエリアのお土産コーナーにあるモンドセレクションや、皇室御用達のようにたくさんある。
きっと今も私の知らないところで、大会があり戦っているのだろう。そこには歓喜もあれば涙もある。
月曜日の朝は、はっきり言って慌ただしい。じっくり画面にかじりついて、頭を抱えたり、雄叫びを上げるようなことはない。
頭を抱える代わりに、鏡を見ながら髪の毛をセットする。雄叫びは上げずに、子どもに「早く起きなさいよ!」と声をかける。
テレビを横目に見ながら、朝のルーティンをこなしていく。選手たちが広いピッチで駆け回っている間、私は狭い部屋を縦横無尽に歩く。
オランダに先制点を決められて「あぁ…」となりながらも、パンをトースターにセットする。
お皿を洗っていると、テレビから割れんばかりの歓声と実況者の興奮した声が聞こえてきた。よく見てみると日本が点数を決めていた。
「はあ、すごいや」
しかしここで、じっくりテレビの前に止まっている場合ではない。選手たちがゴールの余韻にずっと浸らないように、私もすぐに朝の準備の続きをする。
その間も、テレビの歓声に一喜一憂しながら準備をこなす。試合終了のホイッスルと共に、私の準備も終わった。結果は引き分けだった。
普段、サッカーは見ない。今年あったオリンピックも見なかった。でもFIFAワールドカップはなぜか見てみるかとなる。そこには不思議な魔力があるのかもしれない。
「さて、行くか」
新しい靴を玄関に下ろした。その靴の色はオランダのユニホームに似た色だった。
歩いてくる日本の青いユニホームを着た若者を、オレンジの靴を履いた私は華麗にかわしていく。これから、何人の青いユニホームをかわすのだろう。
補足:ジムでも日本代表のユニホームを着た人をちらほら見ました。

